こんにちはkanappleです。
ウェブアクセシビリティ導入の手順、前回の続きになります。
1. ウェブアクセシビリティ方針を決める
・目標する適合レベルを決める
・達成期限、担当部署を決める
2.ウェブアクセシビリティ方針を公開する
3.ウェブアクセシビリティ方針に基づいたウェブコンテンツ制作
・既存のサイトに導入する場合は現状を調査し対応していく
4.ウェブアクセシビリティの試験を行う
5.ウェブアクセシビリティ試験結果を公開する
今回の記事は「5.ウェブアクセシビリティ試験結果を公開する」です。
5.ウェブアクセシビリティ試験結果を公開する
達成基準チェックリストの結果を集計し、対応度を判定します。
対応の表記は「準拠」「一部準拠」「配慮」です。
全てのページで全ての達成基準に適合していれば「準拠」、どれか1つでも達成基準に適合していない場合は「一部準拠」となります。
例えば「レベルAAAに一部準拠」と表記する場合は、レベルAAに準拠していること、「レベルAAに一部準拠」と表記する場合は、レベルAに準拠が前提となります。
配慮は「準拠」「一部準拠」に至らない場合の対応度を示す際に用いる表記です。
ウェブコンテンツがJIS X 8341-3:2016を使用して制作されたことを示すために用いますが、試験の実施や結果は問いません。
目標とした適合レベルや参照した達成基準の一覧を表記します。
試験結果の表示
試験結果をまとめたら、ウェブサイトやマニュアルに公開します。
具体的には以下のようにの表記します。
ウェブアクセシビリティ試験結果
JIS X 8341-3:2016に基づいた試験を実施し、その結果を公表します。
本検証結果における「準拠」という対応度の表記は、情報通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ基盤委員会「ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン – 2021年4月版」で定められた表記による。( https://waic.jp/docs/jis2016/compliance-guidelines/202104/ )
表明日 | 令和6年6月10日 |
---|---|
規格の規格番号及び改正年 | JIS X 8341-3:2016 |
満たしている適合レベル | レベルAAに一部準拠 |
対象となるウェブページに関する簡潔な説明 | 株式会社○○○のウェブサイト(https://xxx.jp)以下の全てのページ |
依存したウェブコンテンツ技術のリスト | HTML、CSS、JavaScript、PDF |
試験に使用したチェックツール | Nu Html Checker、miChecker、axe DevTools |
コンテンツを検証するのに用いたOS、ユーザーエージェント、支援技術 | Windows 10 / Google Chrome / NVDA、 Windows10 / Adobe Acrobat Reader /NVDA、 iOS17.4 / Safari / VoiceOver |
試験対象のウェブページを選択した方法 | ランダムサンプリングによって30ページ(ウェブページ:20ページ、PDF:10ファイル)、ウェブページ一式を代表するウェブページとして10ページおよびPDF1ファイルを選択 |
試験を行ったウェブページ | トップページ(https://xxx.jp)、会社概要(https://xxx.jp/xxx)・・・ |
達成基準チェックリスト | 達成基準チェックリスト(達成基準チェックリストを公開する) |
試験実施期間 | 2024年5月1日〜5月31日 |
アクセシビリティを向上するために達成基準以上に追加で施した措置 | 2.4.8 現在位置の達成基準に関する措置として、パンくずリストを提供 |
今後の対応方針 | 一部ページにおいてバナーのコントラスト比を満たしていませんでした(1.4.3)、今後ページの改修時に改善に取り組んでまいります。 |
このような試験結果を作成したウェブアクセシビリティ方針と一緒に公開します。
目標とした達成基準を満たせていなくてもそのまま公開することが大切です。
情報システムやウェブサイトのウェブアクセシビリティは、コンテンツや機能が増えれば増えるだけ達成基準を満たすことが難しくなります。
また、情報システムもウェブサイトも常に更新し続けるものなので、試験結果が悪くなる場合もあります。
現状を隠さず公開し、改修する計画を立て、試験と改善を繰り返すことでウェブアクセシビリティのレベルを向上させることができます。
まとめ
・ウェブアクセシビリティの試験結果は、目標に達していいない場合でも現状をそのまま公開する
・検証や試験は継続的に行い、その都度問題点や対応について考える
・達成できていないものについては、今後の対応予定を公開し、対応度が向上していくよう努める
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この記事を書いた人
kanapple
HTML&CSSコーダー
フリーランスでウェブサイト制作をしています。
趣味はお酒と映画鑑賞です。