これから「ウェブアクセシビリティ」について一緒に学んでいきましょう!
余談ですが、筆者は長年司書として各公共施設での勤務経験があり、「誰もが情報にアクセスできる」環境整備の重要性について身をもって感じてきました。(※1)
例えば図書館では視覚障害を持つ方へは「点字図書」サービスや「録音図書」、聴覚障害を持つ方へは「映像資料」などを使って、情報が届くように整備してきました。しかし、これらでカバーできる行政サービスは一部に限り、すべての情報をカバーできるものではありませんでした。(※2)

しかし急速に情報がWEBコンテンツに集中し、これまで障害を持つ方々がアクセスしづらかった細かい情報も「ウェブコンテンツが正確に整備されてさえ(標準化されて)」いれば、簡単に収集できるようになってきました。ここで非常に重要になってくるのが、「ウェブアクセシビリティ」です。
ウェブコンテンツが標準化されている、とはいったいどういうことでしょうか。例えば、総務省の策定した「みんなの公共サイト運用ガイドライン」には「ホームページ等を高齢者や障害者を含む誰もが利用できるものとするための基準」として「JIS X 8341-3:2016」という情報アクセシビリティの日本工業規格(JIS)である「高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス」についての解説があります。
ウェブコンテンツの標準化とは、この「JIS X 8341-3:2016」に照らし合わせて、各自で作成したホームページがその基準を達成していることをいいます。
次回からは、ウェブコンテンツの標準化について詳しくみていきましょう。
※1国立国会図書館のポータルサイト「カレントアウェアネスポータル」で「アクセシビリティ」と検索すると423件の記事がヒットします(2023.7.4現在)図書館界においても「ウェブアクセシビリティ」は非常に重要な課題です。
参考:国立国会図書館ウェブアクセシビリティ
※2「点字図書」「録音図書」「映像資料」等についてはWEBコンテンツとは別に各々の資料を深く理解するために今後も重要かつ必要です。
なお点字図書館が点字や音声資料を検索できるシステムを公開しています。
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この記事を書いた人

melly
アクセシビリティ検査員
長年にわたり、公共施設で司書として働く中、情報のアクセシビリティの必要性を感じていました。その経験を生かし、現在はウェブサイトのアクセシビリティ検査員として活動しています。