時間依存メディアのガイドライン

1.2.1 音声のみ及び映像のみ (収録済) (レベル A)

作成日: 2024.4.10 / 最終修正日: 2026.1.12

収録済みの音声や映像コンテンツに代替コンテンツを提供する

この達成基準は、収録済みの音声(ポッドキャストなど)や映像(音声なしの解説動画など)を、すべての利用者が理解できるようにすることを目的としています。代替テキストや書き起こしを提供することで、目や耳に障害がある利用者、または周囲がうるさかったり音を出せなかったりする状況の利用者も情報を得ることができます。

実践すべきこと

代替コンテンツの提供
  • 音声のみのコンテンツ(ラジオ番組、ポッドキャストなど)には、話している内容を書き起こしたテキストを提供する。
  • 映像のみのコンテンツには、映像で何が起きているかを説明するテキストを提供する。

運用者への注意

書き起こしテキストの掲載
  • 音声や映像ファイルの近くに、内容を書き起こしたテキストを掲載するか、テキストページへのリンクを設置する。
情報の網羅性
  • 単なる「要約」ではなく、意味のある情報(誰が話しているか、重要な環境音など)がテキストに含まれているかを確認する。

開発者への注意

HTMLでのマークアップ
  • 音声や映像を埋め込む際は、その周辺に代替テキストを表示できるエリアを確保しておく。
  • 音声・映像プレイヤー自体が、キーボード操作やスクリーンリーダーに対応しているもの(標準のvideo/audio要素など)を選定する。

今のWeb環境で気をつけたい点

  • 動画プラットフォーム(YouTube等)の自動字幕や自動文字起こし機能は便利だが、専門用語や固有名詞で誤変換が起きやすいため、公開前に内容をチェックして修正する。

参考リンク

解説書 達成基準 1.2.1: 音声のみ及び映像のみ (収録済) (レベル A)

1.2.2 キャプション (収録済) (レベル A)

作成日: 2024.4.10 / 最終修正日: 2026.1.13

収録済み音声を含む映像コンテンツに字幕を提供する

この達成基準は、収録済みの音声を含む映像コンテンツをすべての利用者がアクセス可能にすることを目的としています。字幕(キャプション)を提供することにより、聴覚障害のある利用者だけでなく、騒がしい場所や音を出せない環境で視聴する利用者も、コンテンツの内容を正確に理解できます。

実践すべきこと

字幕(キャプション)の追加
  • 収録済みの音声を含む映像には、音声と同期した字幕を提供する。
  • 話し手のセリフだけでなく、内容を理解するために重要な「効果音」や「音楽の雰囲気」なども文字で表現する。(例:[激しい爆発音]、[静かなピアノ曲]など)
  • 複数の人が話している場合は、誰が話しているかがわかるように記述する。

運用者への注意

自動生成字幕の修正
  • YouTubeなどの自動字幕機能を使用する場合、誤字脱字やタイミングのズレが必ず発生する場合があるため、公開前に一度内容を確認するようにする。
オープンキャプションとクローズドキャプションの検討
  • 常に表示される字幕(オープンキャプション)か、利用者がオン・オフを切り替えられる字幕(クローズドキャプション)か、配信プラットフォームやターゲットに合わせて選択する。

開発者への注意

標準的なマークアップとプレイヤーの選定
  • HTMLのvideo要素を使用する場合、track要素を用いて字幕(VTTファイルなど)を提供する。
  • 外部プレイヤー(YouTube埋め込みなど)を使用する場合は、プレイヤーの操作パネルから字幕設定にアクセスできることを確認する。

今のWeb環境で気をつけたい点

  • SNS(InstagramやTikTok、Xなど)に投稿する動画もこの基準の対象と考える。動画内に直接テキストを焼き付ける手法は、多くのユーザーにとって有益だが、スクリーンリーダーでは読み上げられないことがあるため、必要に応じて投稿本文に内容の補足を記載する。
  • 映像の中の重要な文字情報(テロップなど)と字幕が重なって見えなくならないよう、表示位置やコントラストに配慮する。

参考リンク

解説書 達成基準 1.2.2: キャプション (収録済) (レベル A)

1.2.3音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済) (レベル A)

作成日: 2024.4.10 / 最終修正日: 2026.1.15

映像コンテンツの内容を説明するテキストや音声ガイドを提供する

この達成基準は、セリフ以外の視覚情報(登場人物の動作、背景の変化、画面上のテキストなど)を、視覚障害のある利用者も把握できるようにすることを目的としています。映像の内容をすべて書き起こしたテキスト、または映像を補足する音声ガイドを提供することで、情報の格差をなくします。

実践すべきこと

代替コンテンツの提供
  • 映像の中の重要な動き、場面転換、画面上に表示されている文字情報を説明する「音声解説(ナレーション)」を動画に追加する。
  • または、音声の内容と視覚的な情報を網羅した「書き起こしテキスト」を動画の近くに掲載する。

運用者への注意

書き起こしテキストの網羅性
  • テキスト版を提供する場合、セリフだけでなく「(ここでグラフが表示される)」「(驚いて立ち上がる)」といった、状況を理解するために必要な視覚情報の記述が含まれているかを確認する。
制作コストの検討
  • 専用の副音声(音声解説)を作るのはコストがかかるため、「書き起こしテキスト」を掲載する方法が導入しやすい。

開発者への注意

テキストエリアの確保
  • 動画プレイヤーの近くに、書き起こしテキストを流し込むためのアコーディオン(開閉パーツ)や、別ページへのリンクを配置できる設計にする。

今のWeb環境で気をつけたい点

  • 動画によるマニュアルやeラーニングが増えている。映像を見ないと操作方法がわからないコンテンツ(例:「ここをクリックします」と指し示すだけ)は、この基準を満たさない可能性が高いため、必ず言葉での補足やテキスト版を用意する。
  • 書き起こしテキストを用意することは、検索エンジンが動画の内容を正確に理解できるようになるため、検索エンジン最適化にも有効。

参考リンク

解説書 達成基準 1.2.3: 音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済) (レベル A)

1.2.4キャプション (ライブ) (レベル AA)

作成日: 2024.4.10 / 最終修正日: 2026.1.16

ライブ配信(生放送)の音声コンテンツに字幕を提供する

この達成基準は、リアルタイムで配信される映像や音声の内容を、聴覚障害のある利用者や音を出せない環境の利用者も同時に把握できるようにすることを目的としています。誰が話しているか、重要な効果音は何かといった情報をリアルタイムで提供します。

実践すべきこと

リアルタイム字幕の提供
  • ウェビナーやライブ配信を行う際、音声と同期した字幕をリアルタイムで表示させる。

運用者への注意

字幕の品質とスピードの両立
  • 誤変換を最小限にするため、専門の字幕作成者または、自動音声認識技術(UDトーク、YouTube/Zoomの自動字幕など)を活用し、必要に応じて修正スタッフを配置する。

開発者への注意

配信プラットフォームの選定
  • 字幕機能に対応している配信プラットフォームや、外部の字幕送信ツールと連携可能なシステムを選定する。

今のWeb環境で気をつけたい点

  • Zoom、Microsoft Teams、YouTube Liveなど、主要なプラットフォームには自動字幕機能が備わっている。これらを有効にするだけで対応コストを下げられるが、専門用語が多い場合は事前に字幕作成者の準備を行うなどの工夫が求められる。

参考リンク

解説書 達成基準 1.2.4: キャプション(ライブ)

1.2.5 音声解説 (収録済) (レベル AA)

動画コンテンツに映像情報を伝える音声ガイド(副音声)を提供する

作成日: 2024.4.10 / 最終修正日: 2026.2.3

この達成基準は、視覚障害者が動画の内容を十分に理解できるように、目に見える情報(動作、場面の変化、画面上のテキストなど)を「音声」で補完することを目的としています。レベルAの達成基準(1.2.3)では「書き起こしテキスト」でも代用可能でしたが、レベルAAでは「音声による解説」が必須となります。

実践すべきこと

音声解説の提供
  • 登場人物のセリフの合間に、その時の動作や表情、場面の状況などを説明するナレーションを追加する。
  • 主音声だけでは伝わらない「画面上の重要な文字情報」や「図解の内容」を声で説明する。

運用者への注意

企画・台本段階での配慮
  • 「こちらをご覧ください」といった指示代名詞を避け、「画面中央の赤いボタンをクリックします」のように、出演者が言葉だけで状況を説明するように工夫することで、別途音声解説を作成する手間を省ける場合がある。
音声解説付きバージョンの並置
  • 通常の動画とは別に、音声解説を入れた「音声解説版」の動画を用意し、ユーザーが選択できるように提供する。

開発者への注意

複数音声トラックの検討
  • ひとつの動画ファイル内で副音声を切り替えられるプレイヤーを使用するか、音声解説あり・なしの動画をそれぞれ適切にマークアップして配置する。

今のWeb環境で気をつけたい点

  • SNS向けの短いプロモーション動画やマニュアル動画であっても、映像だけで情報を伝えている箇所(テロップのみでセリフがないシーンなど)は視覚障害者に伝わらない。重要なメッセージは「目」と「耳」の両方に届くように設計する。

参考リンク

解説書 達成基準 1.2.5: 音声解説 (収録済) (レベル AA)

1.2.6 手話 (収録済) (レベル AAA)

WCAG 2.2 解説書

1.2.7 拡張音声解説 (収録済) (レベル AAA)

WCAG 2.2 解説書

1.2.8 メディアに対する代替 (収録済) (レベル AAA)

WCAG 2.2 解説書

1.2.9 音声のみ (ライブ) (レベル AAA)

WCAG 2.2 解説書

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